千代田線はどこを走っているか(その1-4) 大踏切通り

4.大踏切通

この通りも千路通りと同様、区政80周年記念で愛称が付けられたとのことですが、警察署前通りとした方がわかりやすかったのではないかと思います。

 

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写真1 千住変電所

大踏切通りを踏切(常磐線伊勢崎線)から西へ向かうと、豆腐のような建物(写真1)が目に入ります。東京地下鉄の千住変電所です。千代田線建設史P.687~689に記述がありますが、この真下が千代田線で、写真1の奥から変電所の下を斜めに大踏切通りに入り込んでいます。千代田線建設史P.689に建設当時の写真がありますが、現在もほとんど変わっていません。

 

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写真2 営団の境界標

千住変電所の脇には、帝都高速度交通営団の紋章が入った境界標があり、懐かしく感じました。ウルトラ警備隊のマークのようですね。

 

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写真3 周辺との位置関係

千代田線建設史P.436の次ページにある路線図を見ると北千住駅を出てからここまで半径230mの曲線です。東京芸大千住キャンパス(写真3左側)の一部をかすめるようにして大踏切通りに入り込んでいることがわかります。

地図の航空写真で周辺建物の形状を調べてみると、千住変電所(写真1)奥に見えるフコク生命の建物基礎は千代田線の線路構造体をまたいでいるようです。その他、千代田線をまたいでいる建物がいくつもあり、その一方で基礎が干渉しないように壁面を不自然な形にそぎ落としている建物もあります。千代田線の位置が浮かび上がってくるようように感じます。

 

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写真4 千住警察署入口交差点

大踏切通りに入ると、日光街道(国道4号線)の千住警察署入口交差点までは一直線となっています。千代田線建設史P.522の図によると、開削工法を採用したのはこの交差点付近までで、この先はシールド工法になります。

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ここまでは開削工法なので、建設工事時の痕跡が街並みに残っていますが、この先シールド工法になるため、位置の特定はむずかしくなりそうです。

参考資料
 1.東京地下鉄道千代田線建設史(昭和58年)