日光街道(国道4号線)の西側は千住宮元町になります。千代田線建設史P.478によると、ここから先はシールド工法を採用しており、町屋二丁目交差点付近まで単線シールドトンネルが2本並んでいます。
シールド工法であるとは言え、それなりに地上建物の荷重制限はあります。写真の左側の建物、4階以上は道路から引っ込んだ形になっていますが、この下を千代田線A線(→代々木上原方面行)が、道路右側の4階建ての下をB線(→綾瀬方面行)が走っているものと思われます。
まずB線の真上をたどってみました。このあたり、千代田線が走っていると思われるところには民家が並んでします。ただしこの程度の建物だと地下にシールドを通しても影響は出ないようで、トンネルの位置を特定できる物件は見つけられませんでした。
B線は足立宮元町郵便局の下を通り、みどりちょう商店街へ入ります。なんだか時間が止まってしまっているようなのんびりした感じの商店街です。この道路の真下を向うからこちらへ向かって千代田線の電車がバンバン走っているとはとても思えません。
商店街を西へ西へと歩くにつれ店舗はなくなり、民家だけになってきます。本当にこの真下を千代田線が走っているんだろうか…と不安になる頃、隅田川にぶつかります。目の前には巨大な豆腐のような建物(写真4)がそびえ立っています。
千代田線建設史P.522によるとこのあたりは対岸に向かって半径800mの左曲線が始まるあたりで、この換気室の真下が千代田線のようです。
さて、今度はA線の真上をたどります。写真5は、千住警察署入口交差点(写真1)から半径600m左曲線で曲がり終わったあたりになります。しかし、どこが地下鉄千代田線の真上なのか、全くわかりません。奥の方を走っている自転車の真下あたりを千代田線A線が右から左に走っているはずですが、証拠物件は見当たりません。「うーん、さすがシールドトンネル。」と思いつつ歩きます。
ふたつの建物の間あたりを千代田線A線は奥から手前に向かって走っています。道路は墨堤通りです。このあたりから半径600m右曲線になります。ふたつの建物の間にすきまがあるのは単なる偶然か、それとも千代田線建設との関係があるのかまではわかりません。
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みどりちょう商店街の南側を80mほどの間隔で並行している道路です。この真下を千代田線のA線が走っています。奥の建物の真下を突き抜け、こちらに向かって電車は走っています。
このあたり、地図に千代田線が2本記されているのは、A線とB線が80mほど離れて走っているからです。
A線の換気室はB換気室の80mほど南に位置します。千代田線建設史P.522によるとA線は道路の下を一直線に対岸(荒川区)まで突き進んでいます。ということは、このA換気室は千代田線シールドトンネルの真上ではなく、脇ということになります。
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この先、千代田線は隅田川の下を通って荒川区に入ります。しかし、上流、下流いずれも1km程度離れたところにしか道路橋はありません。隅田川を渡るため、たったひと駅だけ京成の電車に乗りました。
参考資料
1.東京地下鉄道千代田線建設史(昭和58年)