前回は「3軸台車内における3軸間の相対的な動き」に関して説明しました。ところがこの3軸台車、さらに「全体が回転動作可能」なのです。
1枚目の写真はすでにご覧いただいたものですが、台車の枕ばね間をリンクが結んでいることに留意ください。
2枚目の写真は、枕ばね間のリンクがクランクにより車体台枠に取付けられている様子を示しています。側面から見えたリンクの他にも枕木方向のリンクがあり、全体でコの字形になっています。この写真は3軸台車全体が左に首を振った状態です。
3枚目の写真は3軸台車全体が右に首を振った状態です。
まあ、よくできているわぁ…というのが正直な感想です。
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そもそもなんでこんな構造にしたのか?ということに関してですが、通常の構造に対して下記のような利点があることが理由だったのではないかと個人的に推測しています。((5)は書物にも一般的に記されていますけど。)
(1)台車枠小型化による軽量化
(2)台車枠加工に大型工作機械は不要
(3)3軸に均等に荷重分配可能(追従性良好)
(4)軸重移動小さくできる(枕ばね下部をレール面に接近可能)
(5)曲線通過時の横圧低減
全体的には、粘着性能を向上させながら線路への追従性向上と悪影響抑制を図り、コストも減らした…ということなのだろうと思います。
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なんだか台車の説明が中心になってしまいましたが、この台車こそがDE10一族の特徴ですね。この一族にはDE50という機関車もいますが、また機会を改めてお話したいと思います。ひとまずDE10に関してはおしまいです。