1.はじめに
高輪二丁目交差点の角に集合住宅があります。この建物の下を都営地下鉄浅草線が走っているように記載されている地図があるかと思えば、建物の下を走っていないように記載されている地図もあります。いったいどちらが正しいのでしょうか?
2.浅草線はこれらの建物の下を走っている
写真1~3は、都営地下鉄浅草線の高輪北町竪坑(高輪公園内)から泉岳寺駅付近までの空中写真です。
写真3は浅草線の経路ですが、高輪北町竪坑からは開削工法で建設されました。No.64~67は通風口の番号、①~⑤は建物の番号を示します。
3.現地の状況
写真4において、浅草線は右から左に向かって走っています。浅草線は建物②の真下を突き抜けています。一方、建物③とは干渉しておらず、建物③手前の空地から私の足元あたりまでの範囲の地下を走っています。
写真5は、写真4の場所から2mほど東側で体の向きを左に約90度回して撮影したものです。
浅草線は私の足元から建物④の真下に向かって真っすぐ突き抜けています。No.66通風口は建物の谷間に埋もれていて近づけず、直接確認することはできません。写真2および3にNo.66通風口の位置を( )を付して記載しましたが、これはGoogleマップ航空写真で確認したものです。
写真6は桂坂の下、高輪二丁目交差点です。浅草線は建物④の真下を突っ切っています。したがって、この建物の基礎構造は特殊なものになっているはずですが、建物④の基礎構造に関して解説された資料を探し当てることはできませんでした。
建物⑤は建物④との間に桂坂をはさむように建っています。冒頭に記載したように、この建物⑤の下を浅草線が走っているように記載された地図と、そうでない地図があります。
建設史および写真1などより、浅草線はこの建物⑤の下ではなく、すぐ脇(手前)を走っていることがわかりました。
写真⑧は、第一京浜の向かい側から建物⑤を見たところです。左手前が一段引っ込んだ形になっていますが、これは浅草線トンネルとの干渉を避けるためです。写真左に見える建物④の下を走ってきた浅草線は、建物⑤の前を斜めに突っ切って、半径300m左曲線で第一京浜の下にもぐり込んでいきます。
第一京浜の歩道上にはNo.67通風口があります。写真奥に建物④が見えますが、この下を走ってきた浅草線は、私の足元(No.67換気口)の下を通って第一京浜の下にもぐり込んでいます。この先で、品川駅から地下にもぐり込んできた京浜急行線と絡み合いながら泉岳寺駅に至ります。
4.まとめ
高輪二丁目交差点の角に集合住宅があります。この建物の下を都営地下鉄浅草線が走っているか否か地図により差異がありますが、真下ではなく脇を走っているというのが正解です。
以上
ちかてつの
さかてつでした…
【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。