福島交通の元東急デハ3300形

この車両も福島交通オリジナルではありませんので、簡単な内容に留めます。東急から来たのは1976年で、デハ3306は車番を下記のように変更しています。

 東急 デハ3301+デハ3305+デハ3304
 福島 デハ3306+デハ3305+デハ3304

モハ1200形は1201~1203と1209~1211でしたから、「3301を3306に改番すれば4~6号車になり、ちょうど1200形の番号が空いているところに入る。」ということだったのでしょう。

 

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写真1 デハ3304北妻面(1982年)

3両編成だったころの姿です。デハ3304は飯坂温泉寄りの先頭車でした。

 

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写真2 デハ3306東側面(1982年)

これもデハ3306+デハ3305+デハ3304の3両編成だったころの姿です。ちなみにこのデハ3306(元東急デハ3301)は、資料1によると製造初年明治44年(1911年)、改造年昭和12年(1937年)となっています。元をたどれば鉄道省デハ6260形という木造車で、更新こそしていますが、この写真を撮影した時点で71歳だったということです。

 

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写真3 デハ3304北妻面と西側面(1984年)

1982年にデハ5022+デハ5023が入線した際、デハ3304と連結していたデハ3305とデハ3306は廃車になりました。デハ3304自身も、私がこの写真を撮影した2年後にこの世を去っています。享年75歳。電車としてはかなり長寿でした。

 

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写真3 デハ3304南妻面と西側面(1984年)

「こちらには仲間が連結されていました」という雰囲気が漂う貫通扉です。右手前の仮台車も素敵です。

福島交通オリジナルの車両と異なる外観の車両で当時は興味がわきませんでしたが、改めて見ると結構貴重な車両だったなと思います。

参考資料
 1.「日本民営鉄道車両形式図集(上編)」鉄道図書刊行会(昭和51年)
 2.「鉄道ピクトリアル1994年12月増刊号」(平成6年)