今回取り上げるのは乃木坂駅から青山墓地にかけてです。「どこを走っているか」というタイトルにしてありますが、乃木坂駅付近は千代田線と同時に都道413号線が建設されましたので、走っている場所に関して疑問はありません。
この区間でおもしろいのは、千代田線の真上に「2階建ての都道413号線」があることです。1992年の状況と対比しながら話を進めたいと思います。
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1992年当時、赤坂方面から乃木坂を登ってくる道は、外苑東通りにぶつかると南(左)に曲がっていました。しかし外苑東通りはなぜか陸橋になっており、その下部は壁でふさがれていました。
写真1と同じ場所の現状です。南(左)に曲がる道はそのままですが、主たる経路は直進するように変わっています。
乃木坂陸橋の真下で撮影した都道413号線です。乃木坂陸橋に連続して乃木坂トンネルが南西(右奥)に続いています。トンネル内はクルマのみ通行可で、歩行者通行禁止です。
では歩行者はどこを通ればよいのか…という話ですが、都道413号線乃木坂トンネル真上の都道413号線に歩道があります。写真からお分かりの通り、この下には千代田線の乃木坂駅があります。建設史P.434およびP.449~450には乃木坂駅の構造に関する説明があります。
ちなみに現在は外苑東通りの下に大江戸線が走っていますので、乃木坂陸橋は下記のような多層構造になっています。
都道413号線地上部(東西方向)・外苑東通り(南北方向)
都道413号線乃木坂トンネル(東西方向)
千代田線(東西方向)
大江戸線(南北方向)
都道413号線地上部の脇には千代田線の換気塔や換気口があり、その位置は建設史P.436先の平面図・縦断面図記載位置と符合します。写真を撮影していたら、地下から電車の音が聞こえてきました。
1992年に乃木坂駅の真上で撮影した写真です。奥から手前がA線の方向になります。写真5の換気塔が小さく写っていますが、そうと知らないと周りの建物に溶け込んでしまって識別できません。
住宅地の間の都道413号線を青山墓地の方に進むと、車道は行き止まりになります。その先は…
参考資料
1.東京地下鉄道千代田線建設史(昭和58年)