千代田線はどこを走っているか(その4-2) 乃木坂駅-青山墓地

 

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写真1 都道413号線地上部南西端の先(1992年撮影)

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写真2 都道413号線地上部南西端の先(1992年撮影)

1992年、行き止まりの先は何とも異様な光景でした。当時は事情も知らず、ただ単に不思議な雰囲気にひかれて撮影したのですが、今となっては貴重な画像です。ここは現在、乃木坂トンネルの出口になっています。

 

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写真3 都道413号線地上部南西端の先

現在の状況です。写真2とほぼ同一地点から撮影しました。奥に写っている茶色の集合住宅は1992年から変わっていません。写真左側は南青山陸橋の車道で、乃木坂トンネルと一体化しています。

 

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写真4 環状3号線(1992年撮影)

1992年に撮影した風景です。日本学術会議(茶色の建物)の脇に乃木坂駅の出入口が見えます。現在の5番出入口です。奥に向かって環状3号線が建設されつつあります。この道路の真下を左から右へ千代田線は走っています。

 

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写真5 乃木坂駅5番出入口

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写真6 環状3号線をまたぐ南青山陸橋

写真4の場所が現在どうなっているか、写真5と6に示します。風景が激変していますね。左右方向に走っている「銀色の大蛇」は都道413号線の南青山陸橋です。乃木坂駅5番出入口は大蛇の腹の下です。

 

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写真7 青山墓地(1992年撮影)

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写真8 青山墓地と南青山陸橋

1992年当時、青山墓地の東側で道は北(左)へ曲がって谷へ降りていましたが、現在では南青山陸橋が谷を渡って台地と台地をつないでいます。都道413号線をクルマで走ると、乃木坂陸橋からここまで千代田線の真上に位置するトンネル状の道を走ってくることになります。

写真8右奥の赤いアーチが南青山陸橋の出口ですが、大蛇の赤い口のようです。

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ところで千代田線の霞ヶ関-代々木公園は1972年開業です。南青山陸橋には「平成9年8月」と表示されていますので、1972年から1997年まで地下に道路予定地が眠ったままだったことになります。なぜ四半世紀も放置されていたのか…。

この理由も千代田線建設史P.486に記載されていました。「地下鉄は賛成であるが、地下道路(都道)開口部から排気される窒素酸化物による公害が問題である」として反対運動が起き、東京都は「無公害自動車が開発されるまでは地下道路を使用しない」ということで話をつけたんだそうです。

四半世紀経過して地下道路が完成したということは、「無公害自動車」ができたということになります。実際、1970年代以降排出ガス規制がどんどん厳しくなっており、1990年代にはかなり状況が改善されたと判断されたのでしょう。

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この先、都道413号線と千代田線は、青山墓地を通り抜けて下記に続きます。
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【千代田線はどこを走っているか(その2) 青山墓地-根津美術館前交差点付近】:https://me38a.hatenablog.com/entry/2018/12/22/105057

参考資料
 1.東京地下鉄道千代田線建設史(昭和58年)