ひと頃、街中(建物の内部も含む)は排除アートだらけでした。某建物内で写真1のような「もの」を見た時などは、「絶対に寝転がることを許さないぞ」という強烈な意思を感じて心が寒くなったものです。ちなみに写真1の「もの」には下記のような表示がありました。一応「座席」という位置付けのようではありますが、すごい形状の座面です。
長時間の滞留はご遠慮下さい。こちらは一時休憩用のベンチです。
ほかの街中でも「これは度が過ぎているんじゃなかろうか…」という事例を数多く見かけ、街がきれいになって新しい建物が建てられるたびに排除アートが増殖しているように感じていました。
ただし最近はその流れが変わってきているようで、「座ってください」「自由に使ってください」という場所が増えているように感じます。
写真2と写真3は神田スクエアの事例です。神田スクエアは東京電機大学跡地の再開発により生まれました。自由に座れる場所が屋外に多く設けられており、写真3のごとく自由に使える電源もあります。お昼休み、座席に寝転がっているお勤め人もいますが、その程度なら「本来の用途」とみなしてもよいのではないかと思いました。
写真4と写真5はTODA BUILDINGです。アーティゾン美術館の南側(戸田ビル)の再開発がどうなるか気になっていましたが、昨年完成して歩道が拡張(正しくは公開空地)されました。そこには自由に座れる場所が設けられ、中央通りを歩く人々がちょっと一休みしています。素敵な風景だと思います。
つまるところ、街に排除アートが「求められてしまう」かどうかは、人々の行動次第なんだろうと思います。海外からの観光客が多い地域に今後(従来とは若干異なる意味の)排除アートが増殖しなければよいが…と思ったりもしました。
以上
さかてつでした…