湯島天神の東方に、天神下交差点があります。この付近、かなり以前から春日通の拡幅工事中です。
【注記】本書掲載の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」の写真データを著者が編集・加工したものです。
写真1と写真2の右寄り(東寄り)に天神下交差点が見えますが、この付近は春日通が北側に拡げられつつあります。文京区都市計画図を参考にして、写真2に赤い線で春日通の拡幅予定範囲を記入してみました。写真1と見比べると、交差点の左上(北西)付近はこの10年間で建物がほとんどなくなっていることがわかります。
1.天神下交差点西側から(①から)見た状況
写真3と写真4、いずれも春日通の北側歩道から撮影しましたが、12年間で建物がずいぶん減ったことがわかります。
写真5は、天神下交差点にもう少し寄って撮影したものです。奥にクリーム色の建物が残っていますが、それ以外はきれいに消えています。
2.天神下交差点南東側から(②から)見た状況
写真6と写真7は、天神下交差点の南東側から撮影しました。まだ建物がたくさん建っていた頃です。
写真8は、写真7に写っているホテル伊豆美の解体が始まった頃です。
ホテル伊豆美がどんどん解体されていきます。
ホテル伊豆美は消えましたが、低い建物がまだ残っていました。
その後、低い建物も消えました。現在ここに残っているのは、屋上に「広告募集」という看板がある建物(写真5に写っているクリーム色の建物)だけです。
3.天神下交差点東側から(③から)見た状況
写真12と写真13は、天神下交差点の東側から撮影しました。写真12にはホテル伊豆美が写っていますが、これが消えたため写真13では春日通がよく見えます。
ところで写真14の建物はなぜ残っているのでしょうか? よく見ると「湯島駅」と書いてあります。実は目の前の道路の真下を地下鉄千代田線が走っています。この建物は湯島駅1番出口なのです。しかし、なんとも不思議な形をしています。建物上部が斜めに削られたかのようです。
写真14の建物の形に関しては、写真2をよく見るとその意味が理解できます。再掲載した写真2に赤い←印で写真14の建物を示しましたが、天神下交差点北西側の隅切りの線にぴたりと一致しています。
写真15は、写真14と同じく湯島駅1番出口の建物です。2011年に撮影したものですが、この頃はブロック積みの壁面がむき出しでした。
こうして見ると建物上部を斜めに削ったのではなく、隅切りに合せて建設した建物下部に仮構造物を追加してあることがわかります。春日通が拡幅されると同時に、湯島駅1番出口は仮構造物(下半分の突出部)が撤去されるのでしょう。まるで、かさぶたがはがされるような感じです。その時、湯島駅1番出口の建物は「かゆいよ、痛いよ…」と思うのでしょうか…
以上
さかてつでした…