一般的に、連続した内容を2回に分けて記す際は「上・下」とするものですが、地図に関して「上・下」だと「北・南」という感じになります。しかし、今回と次回は落合南長崎駅の「東・西」に関してなので、「右・左」としました。
落合南長崎は都営地下鉄大江戸線の駅ですが、「落合南長崎」という地名があるわけではありません。この駅は新宿区と豊島区にまたがっており、新宿区側が西落合、豊島区側が南長崎です。そのため、よくある合体駅名になったようです。ただし「西落合南長崎」ではわけがわからないので、「西」は付されていません。
ちなみに南長崎という地名はもともと椎名町という地名の一部でしたが、1948年に発生した帝銀事件により印象が悪くなってしまったのか町名は消えてしまい、駅名、公園名、学校名などに残るのみです。「落合椎名町」の方が言いやすいと思いますが、さすがに消えた町名を使うわけにはいかなかったのでしょう。
【注記】本書掲載の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」の写真データを著者が編集・加工したものです。
写真2は、落合南長崎駅A2出口の脇です。歩道の脇の大きな境界標は東京都交通局のもので、ここにあるのは当然です。ところが1mと離れていないところに小さな境界標があり、それには写真3のごとくJRの文字が記されています。
「JRの路線ではないのになぜ?」と疑問に思い調べてみたら、この一角はJR東日本の所有地(社宅)でした。つまり、JR東日本が所有している土地の一部を東京都が買い、そこにA2出口を設けた…ということになります。
写真4と写真5は、①地点にある東京都の境界標です。東京都の印が自己主張しています。いずれもA2出口の方を見たところですが、7年の間に微妙な変化が生じています。
写真6と写真7は、上記①地点の境界標を90度異なる向きから、つまり南方の目白通を見た状態です。新宿区と豊島区の境目なので両区の境界標が矢印の先端を突き合わせていそうなものですが、ここでは東京都の境界標が区境を示しています。写真7では舗装が新宿区側と豊島区側で分かれており、区境がわかりやすくなりました。
写真8と写真9は、区境が目白通に出るところです。ここにも東京都の境界標があり、区境は左に直角に曲がります。したがって、このあたりの目白通そのものは新宿区ということになります。
写真10と写真11は、②地点の7年後です。目白通方向に撮影しました。この間、特に変化はないようです。私が立っているところは新宿区ということですね。
写真12は、目白通(新宿区)から区境を見たところです。境目らしい、いい味を出しています。
以上
さかいめ さかιゝ さかτゝの
さかτっ さかてつでした…