京王、富山地鉄、秩父、長野の各鉄道車両用台車と同系の気動車用台車NA4D

 昔の気動車はその原動機(ディーゼル機関)が非力でしたから、それを補うために電車より軽量化に重点が置かれたものです。台車もその流れから電車用とは全く異なった設計(軽量構造)のものが多かったのですが、何事にも例外があります。

 今回は、関東鉄道キハ703の台車に関してです。キハ703は常総筑波鉄道キハ42202として1954年に新製され、1988年に廃車になりました。

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図1 NA4D(付随台車)

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図2 NA4D(動台車)

 キハ703の台車はNA4Dと称します。メーカは日本車輌製造です。これは、京王帝都電鉄デハ2700形用NA4(軸距2300mm)を軸距2000mmに設計変更したものです。電車用台車の形式(数字)を変えずに気動車に適用している点が趣味的におもしろいと思います。

 同系のNA4P(軸距2100mm)は富山地方鉄道のモハ14770形、秩父鉄道デハ300形、長野電鉄モハ2000形などに使用されていました。これら含め軸箱支持装置が上天秤式であるところがNA4系台車の特徴です。軸ばね高さはナットにより調整可能で、軸ばね下部のダブルナットで固定します。調整用シム不要が利点とされますが、ダブルナットが調整しやすいかというと必ずしもそうではないと思います。

 気動車の場合は動台車と付随台車がありますが、逆転機は動台車にしかありません。しかし形式はいずれもNA4Dで同じです。何とも不思議な感じの台車です。

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ちかてつ
さかてつでした…