関東鉄道グループ車両の前後に関するお話

 過去に撮影した数多くの写真を現在整理しつつあるところですが、今頃になってようやく気付いた点がいろいろあります。今回は車両の前後に関してです。

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図1 前後の標記

 乗物にはいろいろな種類がありますが、飛行機でも自動車でも船でも、走るのに得意な向きというものがあります。そしてその向き(進んで行く方向)を「前」、反対向きを「後」と称しています。ところが鉄道車両は乗物の中でもちょっと変わった存在です。どちら向きにも同じように走れるのです。

 それでは、鉄道車両には前後という概念がないのか?というと、そういうわけではありません。ちゃんと前と後が決まっています。関東鉄道グループの車両の場合、図1のように前(前位)と後(後位)が決まっていて、それを示すために①~④で標記しています。ただし、なぜか路線によりその方式が異なっています。

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写真2 キクハ11(1985年)

 筑波鉄道はいわゆる国鉄式で、前位を①②、後位を③④と標記しています。それに対して他の3路線すなわち関東鉄道(常総線竜ヶ崎線)および鹿島鉄道は、前位を①①、後位を②②としています。ただし例外もあり、写真2に示したキクハ10形キクハ11は筑波鉄道の車両でありながら、関東鉄道と同じ標記方式となっています。関東鉄道常総線に所属していたことがあるとはいえ、写真2撮影時点で筑波鉄道に移ってきてから7年近くも経過しています。標記をそのままにしてあると混乱すると思います…が、そのままでした。

 ところで、標記がどうのこうのという前に、車両の前後はどのように定めているのでしょうか。

 片運転台車両の場合は簡単で、運転台のある側が前位です。めんどうなのが両運転台の場合で、「動台車側が前位の車両」「動台車側が後位の車両」いずれも存在しています。関東鉄道グループではなく国鉄ではどうだったかというと、やはり時代によりいずれの車両も存在していました。両運転台の場合、「こっちが前」と決めた方が前ということのようです。

 車両構造という視点においては、「前位」「後位」よりも「動台車がどちら側か」ということの方が意味を持つように思います。

注記:写真2は当時真鍋機関区で許可を得て撮影したものです。

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ちかてつ
さかてつでした…