【趣味にのめり込んでいる方へ】電子書籍を試しに発行

1.はじめに

 趣味の分野であっても、調査研究成果は何らかの形でまとめておきたいものです。今までブログという形で公開してきましたが、もうひとつの方法として電子書籍を試しに発行してみました。

2.公開の手段と特性

 個人の調査結果、意見等を世の中に公開する方法はいろいろあります。すでに利用なさっている方々にしてみれば当たり前の話ばかりだと思いますが、実際に私自身が利用して感じていることを記します。

(a)ツイッター

 例えて申せば「メモ紙に思ったことを書いて川に流す」という感じでしょうか。発信した内容はすぐに流れていってしまい、考えをまとめるというには程遠いように思えます。まさに、世界に向かって独り言をつぶやく感じです。

(b)フェイスブック

 こちらは「長い絵巻物にメモや文章を書くと、それがどんどん巻き取られていく」という感じです。自分自身のページ(タイムライン)に記しても、古い内容はどんどん埋もれていきます。グループであっても同様で、コメントがつくと上の方に浮上しますが、基本的に古い記事は埋もれてしまい、特定の記事を検索することは困難です。
 もともと、多くの方々と会話を愉しみながら知り合いになるためのものですから、考えをまとめる用途には適していないように感じます。

(c)はてなブログ

 もともとブログは日記的なものだと思いますが、私の場合は積極的にカテゴリー分けすることで、分野ごとの記事をまとめています。例えて申せば「複数のノートに調査結果や意見をまとめて記し、そのノートを本棚に並べる」という感じです。

(d)電子書籍

 電子書籍はどんな感じか、今回試しに発行してみました。やはり「書籍」ですね。調査結果や意見をまとめるのにこれ以上のものはないという感じです。

3.電子書籍発行の手順と面倒だったこと

 電子書籍作成・発行のおおざっぱな手順は下記の通りです。

(1)材料を集め、「何に関して」「どのような切り口で」記述するか考える。
(2)ラフスケッチを描き、骨格すなわちページ構成を決める。
(3)パワーポイントを使い、見開きに写真、文章、図を配置する。
(4)見開きごとにPNGデータ出力し、さらにページごとにデータ分割。
(5)Kindle Comic Creator電子書籍mobiファイルに変換。
(6)Kindle Direct Publishingで発行。

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写真1 ラフスケッチ

 まず(1)と(2)は、文書をまとめる以上必要になる手順だと思います。紙の書籍だろうが電子書籍だろうが関係ありません。記述式試験解答も同じ話ですね。程度に差こそあれ、写真1のようなラフスケッチがないと全体構成(骨格)が不完全になると思います。

 電子書籍発行に際していちばん悩んだのは、「リフロー型」「フィックス型」どちらの形式にするかということでした。ブログの記事を電子書籍化することも考えていますから、当初はブログと同じくリフロー型にすべきだろうと思っていました。私のブログは上下方向を短くするため、写真脇に文字を流し込むようHTMLとCSSを設定してあります。ところが、電子書籍では同じ体裁にできなかったのです。おそらく私のやり方がまずかったのだろうとは思いますが、ここでいたずらに時間を浪費してしまいました。

 結局フィックス型の電子書籍にしたのですが、そうすると今度は「画面が小さい機器で読めるか」ということが気になります。リフロー型なら画面が小さくても写真と別に文字サイズを変えられますが、フィックス型の場合は画面全体での拡大・縮小になります。最終的に、新書本の書面を作る感じで文字サイズを選定したのですが、これまたかなり時間を要しました。余談ですが、画面が小さい機器で読めるか確認するため、小型のタブレットを購入してしまいました(笑)。

 ここに至るまでなんと数か月間、ああでもない、こうでもない…を繰り返していましたが、ようやく体裁が決まったので、あとは(3)の作業を実施して推敲を繰り返しました。

 (5)(6)に関しては世の中に数多くの「電子書籍を作成・発行するには」的な情報が出回っていますので、それを参考にしました。

4.まとめ

 調査研究成果をまとめる手段として、公開手段とその特性を考慮し、電子書籍を試しに発行してみました。意外と手間を要したのは「書籍としての体裁をどうするか」という点でした。

f:id:me38a:20191022195213j:plain以上
ちかてつ
さかてつでした…