【鉄道模型好きの方へ】神社の拝殿と本殿の間にある模型店

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1.はじめに

 銀座にちょっと用事があったので、その帰りに天賞堂(鉄道模型部門)仮店舗に寄ってみました。仮店舗に行くのは初めてだったので少々探し回ってから見つけたのですが…なんと、この模型店は神社の拝殿と本殿の間にあるのです!

2.現地の状況

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写真1 朝日稲荷神社 拝殿

 歩いているうちに、とある建物に天賞堂の看板を見つけました。しかし、その建物の一部に作り込まれた小さな神社の方が気になってしまいました。

 

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写真2 建物の入口

 神社撮影後、建物の入口からエレベータへ…

 

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写真3 FLOOR GUIDE

 入口奥のエレベータ脇にあるFLOOR GUIDEを見ると…「朝日稲荷神社 本殿」「朝日稲荷神社 社務所」という文字が並んでいます。近くにはINFORMATION(掲示板のことですね)もありますが、そこには「屋上本殿へはエレベータで8階より外階段で…」と書かれた紙が貼られています。とっても気になります…

 本日は4階へ行くつもりで訪れたのですが、私の指はエレベータのというボタンを押していました。

 

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写真4 社務所

 社務所というと拝殿・本殿の近くに別の建物があるのが一般的です。しかし、その既成概念を打ち砕かれました。これ…普通の「ビルの事務室」ですよね。

 

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写真5 参道への扉

 社務所の扉と向き合う形で「参道への扉」があります。いわゆる「ビルの非常扉」です。

 

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写真6 参道階段

 参道への扉を開けると…そこには階段があります。この日は雨が降っていたので、屋外の階段はぬれています。ここで滑ると怪談になってしまいます。

 

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写真7 境内

 一歩間違えると非情怪談になりそうな非常階段を登ると、屋上という名前の境内です。

 

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写真8 境内

 写真8の左が本殿です。右奥にはちゃんと手水舎があります。ところで本殿前の鳥居上部には不思議な光が見えます。神様か…と思いましたが、調査の結果、雨水がカメラに付着したためであることが判明いたしました。

 参拝を終えた後、4階の天賞堂に向かいました。

3.朝日稲荷神社

 写真3、写真8などからおわかりの通り、この神社は朝日稲荷神社と称します。地上の拝殿脇にある御縁起には(1)~(4)を意味する内容が記されていました。

 (1)1983年、神社隣地の大広ビル改築に伴い共同ビルを建築
 (2)拝殿はビル1,2階吹抜け構造
 (3)本殿は屋上に安置
 (4)本殿はパイプにより大地につながり、拝殿での参拝が本殿に届く

 上記(2)(3)はすでに写真を掲載した通りですが、興味深いのが(4)です。

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写真9 神社全景

 こうして神社(建物)を見ると、確かに拝殿の上に銀色に輝くパイプが見えます。屋上にちらりと見える本殿との間がこうしてパイプで結ばれているわけです。天賞堂で模型用のパイプを見かけましたが、それに比べるとずいぶん太いものです。

 拝殿脇の御縁起には「時代に先駆ける銀座の地にふさわしい神社」という記述もありましたが、なるほど…と思いました。

 

4.一般的な神社との構造比較

 ここで、一般的な神社と朝日稲荷神社の構造を比較してみました。

【一般的な神社】
 鳥居→参道→拝殿・本殿

【朝日稲荷神社】
 (a)鳥居→拝殿
 (b)入口→エレベータ→非常階段→鳥居→本殿
 (c)拝殿→パイプ→本殿

 朝日稲荷神社の特徴は、「拝殿・本殿分離型」であり「並列型」であるという点です。

 まず、多くの参拝者は(a)の経路のみたどることになると思いますが、本殿の近くまで行きたい参拝者は、「拝殿参拝経路(a)」とは別の「本殿参拝経路(b)」をたどる必要があります。一般的な神社の場合は拝殿まで行けば、自動的に本殿のすぐ近くまで行ったことになるわけですが、この点が異なります。

 また、一般的な神社の場合、神様は本殿から拝殿までちょろっと歩けば(飛ぶのか?)行けますが、朝日稲荷神社の場合は「神様専用経路(c)」であるパイプ内を飛んで上下する必要があるという点が特徴です。

 つまり朝日稲荷神社の場合は拝殿と本殿が分離しているため、参拝者に関しては「拝殿参拝経路(a)」と「本殿参拝経路(b)」、神様に関しては「神様専用経路(c)」という具合に、計3本の経路が並列になっているわけです。一般的な神社が「参拝者の経路が1本で、神様の経路もその延長上の1本」すなわち「直列型」である点と大きく違います。

5.天賞堂

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写真10 工事中の天賞堂

 天賞堂のもともとの場所は、現在写真10のような状況です。ここに新しい建物が完成すると鉄道模型部門も従前のごとく「宝石店と同居」になります。「ちょっと銀座の宝石店に行ってくる」という表現が再び使えるようになると同時に、「神社の拝殿と本殿の間にある模型店」ではなくなるわけですね。

 

6.まとめ

 銀座にある朝日稲荷神社の特徴は、「拝殿・本殿分離型」であり「並列型」であるという点です。銀座天賞堂(鉄道模型部門)仮店舗は、この朝日稲荷神社の拝殿と本殿の間にあります。もともとの場所に新しい建物ができると同時に、「神社と特殊な位置関係にある模型店」は消滅します。

f:id:me38a:20191022200051j:plain以上
さかいさかιゝ さかτゝ
さかτ さかてつでした…