1.はじめに
都営地下鉄新宿線は船堀駅の先、一之江駅まで地上のマス目状道路を無視して斜めに一直線に走ります。そしてさらにその先にある新中川も一直線に渡ります。
今回は、一之江駅付近と新中川右岸(西岸)までの地上風景です。
2.空中写真
写真1は1984年10月の状況です。船堀駅-篠崎駅間開業(1986年9月)の約2年前で、開削工法で建設された一之江駅がはっきりとわかります。この前後の区間は単線シールドトンネル並列ですので、空中写真を見てもトンネルの位置はわかりません。
写真2は2009年4月撮影です。一之江駅周辺に高い建物が建ち、「高い建物の谷間にトンネルがある」という状況になっています。
3.現地の状況
写真3は、新宿線の真上で撮影した風景です。奥が一之江駅になります。左側に建物⑭、右側に建物⑯があり、その間に新宿線トンネルがあります。建物⑮は新宿線トンネルの真上です。
今までずっと新宿線トンネルの真上を歩いてきた…はずですが、一之江境川西側の換気塔以降、決定的な証拠がありませんでした。そのため、一之江駅の真上(写真4)にたどり着いた時は「やはりこの経路で正しかったんだ」と少しうれしくなりました。
ところで、建物⑰はどこかで見たことがあるような気がします…
写真5は銀座四丁目交差点に面している和光ですが、建物⑰は何となくこれと似ていないでしょうか…
写真6も一之江駅の真上です。手前に見える道路は今井街道で、昔の行徳道です。建物⑲は一之江駅の真上に建っています。
写真6を撮影した場所で体の向きを180度変えると…写真7のような風景が広がっています。写真6とずいぶん雰囲気が異なっていますが、写真1を参照すると、写真7の方がもともとの風景だったことがわかります。
写真8は新中川堤防の脇です。私の足元を新宿線が走っています。建物⑳は新宿線トンネルのすぐ脇です。
新中川の堤防には、新宿線トンネルの位置を示す決定的な証拠がありました。河川占用許可標識(写真9)です。外径7.3mシールドトンネルが14.6m間隔で並行していることがわかります。
埋設深さの「A.P」はArakawa Peilの略で、荒川の水位基準面を示します。つまり「外径7.3mのトンネル上部は水面下11.65m、下部は18.95m」という意味です。下端は上端からトンネル外径7.3mを引けば簡単に算出できますが、わざわざ両方記してあるところが妙に親切です。
写真10は、河川占用許可標識(写真9)の足元にあった新宿線の位置標識です。河川占用許可標識はあちらこちらで見かけていますが、写真10のような位置標識は初めて見ました。
これは2本の単線シールドトンネルの中心を示すものであり、内容としては河川占用許可標識(写真9)と同一です。わざわざ位置標識(写真10)を設置することもないように思いましたが、東京都として「この下に新宿線トンネルがあるのだぞ」と主張したかったのかもしれません。
4.まとめ
今回は、一之江駅付近から新中川右岸(西岸)まで、地上にどのような風景が広がっているかご紹介しました。
以上
ちかてつの
さかてつでした…
【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。