【地下鉄好きの方へ】大江戸線の車両はどこから地下に入れるか

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1.はじめに

 地下鉄と称していても、多くの路線は地上に顔を出します。また郊外へ続く路線に乗入れることにより地上に顔を出すという例も多々あります。しかし、都営地下鉄大江戸線は地上に顔を出す区間が全くありません。さらに営業列車が他の路線に乗入れることもありません。完全なモグラ電車です。

 では、大江戸線の車両はどこから地下に搬入するのでしょうか。

2.車両搬入口

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写真1 車両搬入口

 以下の記事に記しましたが、木場公園の地下には都営地下鉄大江戸線の木場車庫があります。

 地図に無い地下鉄…
 木場公園の地下には何があるか
 木場公園に点在する謎の階段

 しかしトンネルは木場公園で終わっているわけではありません。写真1に示したように、木場車庫の南からさらに南に向かって虫垂のごとくトンネルが伸びているのです。このトンネルは東京都交通局木場庁舎の脇でほぼ直角に曲がり、車両搬入口に至ります。

 「大江戸線建設物語」にトンネル構造までは記載されていませんが、おそらく開削工法で建設された単線トンネルではなかろうかと推定しています。

3.現地の状況

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写真2 木場公園南端

 写真2は、木場公園の南端です。写真右奥の木々の中に非常階段Fがあります。車両搬入口に至るトンネルは、写真中央を奥(北)から私の足元に向かって伸びています。

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写真3 木場公園南側

 写真3は、木場公園の南側です。写真右側に駐車場があります。周囲は建物だらけなのにここだけ駐車場であるところが不自然ですが、この下に車両搬入口に至るトンネルがあるということを知れば、なるほどと納得できます。トンネルは、私の足元から右奥に向かっています。

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写真4 木場公園南側の駐車場

 写真4は、写真3と同じ駐車場を反対側から見たところです。右奥に見える木が茂っているところが木場公園です。

 写真4の右奥から左手前に向かってトンネルが伸びています。

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写真5 東京都交通局木場庁舎

 写真5の右に見えるのが東京都交通局木場庁舎です。木場庁舎の左側には換気塔が隣接しています。「大江戸線建設物語」によるとトンネルからこの換気塔まで風道が伸びていることが記されています。

 車両搬入口へのトンネルはまさに車両搬入時しか使用しないわけですから、その他は木場公園地下にある木場車庫への風道としてトンネルを利用しているものと思われます。

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写真6 換気塔

 写真6は換気塔を拡大したものですが、左側が面取りされています。車両搬入口に至るトンネルと干渉しないようにしたものと思われます。

 換気塔の左奥には車両搬入口の建物が見えます。

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写真7 車両搬入口

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写真8 車両搬入口シャッタ

 三ツ目通沿いには、写真7のような建物が建っています。車両搬入口です。「大江戸線建設物語」の表紙には、床(地面)に開けられた細長い穴に大江戸線車両12-600形を降ろしている光景が掲載されていますが、建物の窓の形が写真7および写真8と同一です。表紙の写真はこの建物の中で撮影されたものだろうと思います。

 この建物の100mほど南には、東京メトロ東西線木場駅があります。

4.まとめ

 大江戸線の車両は木場車庫の南にある車両搬入口から入れます。場所は東西線木場駅の近くです。清澄白河駅から木場駅のすぐ近くまで、大江戸線の線路が伸びているのです。

 なお今回の記事では触れませんでしたが、光が丘駅の先に高松車庫があり、そこにも車両搬入口があります。

f:id:me38a:20191022195213j:plain以上
ちかてつ
さかてつでした…

【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。