【街好きの方へ】隅田川の東の妙なもの

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1.はじめに

　隅田川の東にはいろいろな「もの」があります。冒頭の写真が有名ですが、そのほかにも「妙なもの」があります。

　今回は「そのほかの妙なもの」に関してです。

2.吾妻橋の東詰に浅草線はもぐり込む

　都営地下鉄浅草線の電車は、浅草駅を出ると半径170m右曲線で隅田川に入り込み、吾妻橋の橋台脇を通り抜けて対岸の陸地に渡ります。

f:id:me38a:20200515223404j:plain — 写真1　空中写真(1961年3月)

　写真1は、浅草線開業3か月後の状況です。吾妻橋の東側橋台脇をよく見ると小さな丸い「妙なもの」が写っています。

　この「妙なもの」ですが、実は浅草線トンネルの通風口です。浅草線はこの脇を通って吾妻橋東詰交差点から道路の下にもぐり込みます。

f:id:me38a:20200515223428j:plain — 写真2　空中写真(2017年)

f:id:me38a:20200515223448j:plain — 写真3　空中写真(地下鉄追記)

　写真2は最近の状況です。吾妻橋東詰から浅草線は道路の下を走っていますが、この写真を見た限りでは全くわかりません。そこで写真3として、浅草駅およびその前後のトンネル位置を追記しました。

3.現地の状況

f:id:me38a:20200515223508j:plain — 写真4　吾妻橋

　写真4は、隅田川にかかる吾妻橋です。写真右手前から奥に向かって浅草線は築島式ケーソン工法で建設された川底のトンネルを走っています。ただし、こうして見ている限りではどこをどのように走っているのかわかりません。

f:id:me38a:20200515223539j:plain — 写真5　吾妻橋東詰付近

　写真5は、吾妻橋の東詰付近です。ご覧の通り喫煙場所になっています。よく見ると喫煙場所の左側に何やら表示板のようなものが、右側には茶筒のような構造物があります。この構造物こそ写真1に写っている「妙なもの」です。現在は高速道路があるため、空からは見えません。

f:id:me38a:20200515223556j:plain — 写真6　河川占用許可表示板

　喫煙場所の左側(隅田川側)に見えたものは、浅草線がどこを走っているかを示す表示板です(写真6)。この真下に浅草線のトンネルがあることの証拠です。埋設深さの項目を見ると、水面下6mのところに高さ10mのトンネルがあることがわかります。占用許可は10年ごとに更新するようですが、期限切れでも問題は無さそうです。