1.はじめに
今回は「東京メトロ千代田線代々木公園駅の上には何があるか」というお話です。
2.代々木公園駅の真上はほとんどが建物
代々木公園駅だから真上は代々木公園だろう…と思ったら大間違いで、この駅は大半が代々木公園の外(西側)にあります。真上は住宅や店舗です。千代田線建設史に代々木公園駅の平面図および地上建物の記載があったため、現地の状況と丹念に照合することにより駅の位置を特定できました。ただし、高層の建物が無いために結構手間取りました。その結果わかったのは、代々木公園駅に関して地図の位置標記は比較的正しいということです。以下、現地の状況を記します。
3.現地の状況
千代田線の霞ヶ関駅-代々木公園駅間が開業したのは1972年10月です。その後、小田急の代々木上原駅まで全線開業したのは1978年3月でした。写真1は、代々木公園駅がまだ工事中だった頃の空中写真です。地下の駅およびトンネルは完成していますが、開削工法で建設したため「地面の傷跡」が明確に残っています。
写真2は最近の状況です。駅の上には建物が建っており、そうと知らないとどこが代々木公園駅の真上なのか、さっぱりわかりません。
写真3は代々木公園の敷地内にある4番出口です。代々木公園駅のいちばん東側の出口になります。写真4の左側は4番出口(写真3)、道路をはさんだ反対側(西側)にあるのが2番出口です。代々木公園駅はこの写真左右方向(東西方向)に伸びています。
写真5および写真6は、3番出口付近から西側を撮影した風景です。手前の公園は代々木深町小公園です。写真5のブランコの奥に中華料理店が見えますが、この店とその右側に見える2棟の集合住宅の下に代々木公園駅があります。
写真6のブランコの奥に見える建物は、写真5のいちばん右側と同一の建物です。この建物からパーゴラ(藤棚)の左側までが代々木公園駅の真上になります。
「春の小川」という唱歌がありますが、写真7はその「小川」です。河骨(こうほね)川と称し、この先で宇田川に合流します。宇田川は渋谷駅の北で渋谷川に合流し、天現寺橋から古川と名を変えて浜松町駅の南で東京湾に注いでいます。
この小川は私の足元から写真奥に向かって流れていますが、交差点の先に見える川沿いの建物はいずれも代々木公園駅の真上に建っています。駅は写真左奥から右手前に伸びています。
写真8は、河骨川に向かう道です。写真中央に歩いている人が見えますが、この奥20mほどのところが写真7の交差点です。「暇を欠く店」という看板の奥に左に入る路地がありますが、この路地から河骨川との交差点までが代々木公園駅の幅方向になります。駅はこの写真の右(東)から左(西)に向かって伸びています。
小田急の代々木八幡駅近くにマルマンストアがありますが、写真9および写真10はその角を北東に入ったところです。千代田線の代々木公園駅は写真9の左奥から右手前に伸びています。
写真10は写真9と同一地点で撮影したものですが、左手前から右奥に向かって代々木公園駅が伸びています。右奥のクリーム色の建物とその奥の建物(マルマンストア)は代々木公園駅の真上に建っています。いちばん右手前に見える灰色の建物の土地は代々木公園駅に2m近く干渉していますが、建物を道路から少し引っ込めることにより基礎は駅構築物と干渉していないようです。
写真11は、マルマンストアとその隣にある1番出口です。代々木公園駅としてはこのあたりまでで、かろうじてマルマンストアの地下に納まっています。1番出口あたりからはトンネルが歩道の下にはみ出し、さらに私の足元に向かって車道の下に食い込んできます。
写真12は小田急の代々木八幡駅です。千代田線のトンネルは写真右奥から左手前に伸びています。この先千代田線は小田急の下り線をくぐり、上下線の間から地上に顔を出します。代々木公園駅1番出口からここまでは5~60mしかなく、千代田線が代々木上原駅までしか開業していなかった約5年半は、実質的に乗換駅でした。
写真13は代々木公園駅-代々木上原駅間の坑口です。奥には代々木八幡駅がちらりと見えます。北千住駅北方で地下にもぐった千代田線は、ここで再び地上に顔を出します。この先(写真手前)、勾配を駆け上って高架の代々木上原駅に到着します。代々木上原駅は千代田線でいちばん高い所にある駅で、海抜40m近くになります。
4.まとめ
千代田線代々木公園駅はその大半が代々木公園の外(西側)にあります。真上は住宅や店舗です。小田急の代々木八幡駅の前を通り、代々木上原駅に至っています。
【関連記事】
千代田線はどこを走っているか(その3) 明治神宮前駅-代々木公園駅
以上
ちかてつの
さかてつでした…
【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。