1.はじめに
東京メトロ永田町駅は、有楽町線、半蔵門線、南北線の乗換駅です。地図を見ると南北線ホームは道路以外の場所にあるようですが、現実にはどうなのでしょうか?
2.南北線ホームは衆議院議長公邸敷地の地下にある
永田町駅は、有楽町線、半蔵門線、南北線、さらに半蔵門線ホームを経由して赤坂見附駅の銀座線と丸ノ内線…という具合に、狭いところに数多くの路線が集中しています。ここまで集中してしまうと「道路の下」に納まりきらず、それ以外の場所に建設されることになってしまいました。
永田町駅の南北線ホームは道路の地下ではなく、参議院議長公邸敷地の地下にあります。
3.地上風景
写真1は永田町駅付近の空中写真です。議員会館の裏を登ってきた南北線は参議院議長公邸の地下にもぐり込みます。永田町駅の南北線ホームは参議院議長公邸の下にあるのです。
写真2は、参議院議長公邸を南東から見た状態です。この真下に南北線ホームがあるのですが、とてもそのような雰囲気ではありません。写真2を撮影した交差点で体の向きを変えると、写真3のようになります。この交差点は三べ坂の上になります。
ところで三べ坂って何だ?と思われるかもしれません。標識に記されている説明を引用します。現在の標識の方がわかりやすいですね。
●現在の標識(写真4)記載内容引用
『江戸時代、この坂の付近に岡部筑前守、安部摂津守、渡辺丹後守の屋敷があり、いずれにも苗字に「べ」が付くということから「三べ坂」と名付けられました。坂の上の西側には赤坂門の水番役を務めていた松平出羽守の屋敷があったため、水坂とも呼ばれていました。』
●昔の標識(写真5)記載内容引用
『この坂を三べ坂といいます。『新撰東京名所図会』には「華族女学校前より南の方に下る坂
を、世俗三べ坂といふ。昔時、岡部筑前守・安部摂津守・渡辺丹後守の三邸ありし故に名づくといふ」とあります。また、坂上の西側一帯は松平出羽守の屋敷で、松平家が赤坂門の水番役をかねていたところから、門前の坂は、水坂ともよばれていました。』
南北線ホームがその下にある参議院議長公邸は、松平出羽守の屋敷跡ということになります。
さて、三べ坂付近はこのような雰囲気ですから、永田町駅南北線ホーム南側から直接地上に至る出口はありません。ホーム南側から階段を上がっても、平河町交差点方面への乗換通路に出るだけです。地上に出るには、平河町交差点付近の出口に回る必要があります。乗換に主眼を置いた駅構造ということですね。
永田町駅の南北線ホームは、参議院議長公邸の敷地を突き抜けて青山通に達しています。写真6は青山通の北側歩道から撮影したものですが、写真奥から私の足元に向かって南北線が走っています。写真6の右奥に見えるのが参議院議長公邸です。
4.まとめ
永田町駅の南北線ホームは、参議院議長公邸敷地の地下にあります。南北線ホーム南側から直接地上(三べ坂方面)に至る出口はありません。
以上
ちかてつの
さかてつでした…
【注記】本ブログ中の空中写真は、国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」よりダウンロードした写真データを私が編集・加工したものです。