池袋駅を出た電車は大きく左右に曲がりながら東池袋駅に至ります。このS字曲線があるところはどこなのか…実は南池袋公園付近です。
建設史P.432先の平面図及び縦断面図によると南池袋公園の下を半径164m左曲線で通過し、公園から出たところで今度は半径164m右曲線で東池袋交差点に出て東池袋駅に至っています。
建設史P.853表8には池袋~東池袋に雑司ヶ谷公園トンネル換気室がある旨記載され、P.854~855図18にはその構造が記されています。
さらに建設史P.617~619には勝本ビルの下受工事に関する解説と、勝本ビル以外は建物をすべて撤去した記述があります。
池袋駅から南池袋公園へ至る道です。写真手前が池袋駅の方になります。有楽町線は私の真下を走っています。
池袋駅側の入口です。有楽町線はこのあたりから半径164m左曲線で公園内を突っ切っています。
素敵な公園です。2016年に「改装開店」しましたが、それに先立ち東京電力の地下変電所が建設されたそうで、地上(すっきり)と地下(地下鉄や変電所でごちゃごちゃ)は大違いです。奥に見える巨大な豆腐のようなものが有楽町線の換気塔です。
違和感のある存在です。建設史P.854~855図18記載通りの形状であることがよくわかります。この換気塔は「雑司ヶ谷公園トンネル換気室」のものですが、公園の名称は「南池袋公園」です。1kmほど南方に「雑司が谷公園」はありますが、それとは関係なさそうです。「雑司ヶ谷公園トンネル換気室」は固有名詞ということなのでしょう。
換気塔には連結送水管送水口があり、帝都高速度交通営団のマークがあります。
写真4の換気塔を裏側から見た状態です。手前(東)は本立寺の境内になります。
写真6の場所で視点を90度ほど右に回すとこのような風景になります。有楽町線は、私の目の前(建物がないところ)を左(西)から右(東)に向かって走っています。このあたりから半径164m右曲線になります。有楽町線の電車に乗っていると、きしみ音を立てながらS字状に曲がるところです。
正面に見える灰色の建物が、建設史に記載されている勝本ビルです。有楽町線はこの建物の真下を奥(東)に向かって走っています。奥にはメトロシティ南池袋の上部が見えます。
参考資料2の航空写真を見ると、1975年当時は建設史記載通り、勝本ビルの裏(東)に建物がありません。現在の状況を写真9に示します。赤↓印を付した建物はメトロシティ南池袋で、参考資料3のHPに東京メトロ所有物件である旨記載されています。勝本ビルとは裏で角を接しています。
建設史P.618図88勝本ビル下受工事平面図を参照すると、メトロシティ南池袋は完全に有楽町線の真上に建っていることになりますが、メトロシティ南池袋の左側に見える2つの建物、右側に見える1つの建物も有楽町線のトンネルに一部かかっているようです。
有楽町線はここから日出通り(池袋駅東口駅前通り)の下にもぐり込み、東池袋駅に至っています。
参考資料
1.帝都高速度交通営団編「東京地下鉄道有楽町線建設史」帝都高速度交通営団(平成8年)
2.国土地理院航空写真「CKT7415-C24A-36」(1975年)
3.東京メトロHP「不動産事業」