要町駅から要町通りの下を走ってきた有楽町線は、池袋駅の西で要町通りから外れます。ではどこを走っているか…というのが、今回の内容です。
建設史P.432先の平面図及び縦断面図によると、下記のことがわかります。
(1)要町通り含め、池袋駅の先の東池袋駅までは開削工法
(2)要町通りから半径550m右曲線で民有地に入り込む
(3)民有地に入ってすぐのところにNo.101換気塔あり
建設史P.444図10池袋駅(13号線)には、有楽町線が要町通りからどのように民有地に入ってくるか記されていますし、P.443図9池袋駅(8号線)にはその先どのように池袋駅に至っているか記されています。
なお、13号線は副都心線、8号線は有楽町線のことです。千川駅からこのあたりまで、8号線と13号線と上下2段積み(8号線が上)になっています。
写真奥が池袋駅の方になります。上記の通り、このあたりまでは有楽町線が上段、副都心線が下段の2段積みトンネルとなっており、仲良く要町通りの下を走っています。
有楽町線はこのあたりから右曲線で副都心線と別れ、民有地に入っていきます。写真中央に見える8階床の建物はメトロシティ西池袋と称し、東京メトロの所有です。この建物の要町通り側は池袋駅C2出口、裏側はC3出口になっています。建設史P.444図10池袋駅(13号線)によるとこの建物の真下を有楽町線が走っていると共に換気塔が建物の西側にあるように記載されています。ネット地図の航空写真を見ると確かに西側に換気口のようなものが見えますし、写真2をよく見ると西側の壁面(赤↓印)が茶色く汚れています。ここがNo.101換気塔です。茶色い汚れは、車輪が摩耗する際に発生する鉄粉の錆だと推測されます。
メトロシティ西池袋の手前に4階床の建物が見えますが、これは完全に有楽町線トンネルの真上です。
メトロシティ西池袋の要町通り側です。この建物から副都心線の真上の地下通路に入ることができますが、有楽町線は建物の真下を通過しているだけです。有楽町線に乗るためには、副都心線真上の通路と有楽町線連絡通路を延々と200m以上歩いて回り込む必要があります。
要町通りの向かい側から撮影したものです。左側に見える4階床のクリーム色の建物は有楽町線トンネルの真上です。また、右側に見えるモスバーガーが入っている5階床の建物、その右隣りの建物、いずれも一部が有楽町線トンネルにかかっています。
このあたり、有楽町線は奥(西)から左手前(南東)に向かって半径550m右曲線で走っています。手前に見える茶色い壁の4階床の建物は、左半分(南半分)が有楽町線トンネルにかかっています。
メトロシティ西池袋のC3出口から見た風景です。茜設計(壁面が茶色の建物)の左側に見える2棟の建物の真下を有楽町線が走っています。
有楽町線は、この写真の右寄りを奥(北西)から右手前(南東)に向かって走っています。
写真7を撮影した交差点で、体の向きを約90度右に回して撮影しました。有楽町線は、左(北西)から右(南東)に向かって斜めに建物の下を突っ切っています。有楽町線トンネルの上は低層部になっていることがよくわかります。また、ここは池袋駅1a出口です。
参考資料3には、上記の区間が写っています。有楽町線が走っているところのみ建物がほとんど無い様子が良くわかります。
参考資料
1.帝都高速度交通営団編「東京地下鉄道有楽町線建設史」帝都高速度交通営団(平成8年)
2.東京メトロHP「不動産事業」
3.国土地理院航空写真「CKT7415-C24A-36」(1975年)