ここまで地下鉄赤塚駅から有楽町線の真上を延々と歩いてきましたが、風景を見ていても有楽町線トンネルの存在はわかりません。しかし田柄川緑地の南方には、有楽町線トンネルの存在を示す大きな物件(換気塔)があります。
写真の奥(北)から手前(南)に続いている道を川越街道から歩いてきたわけですが、ここまでは有楽町線トンネルの位置を明確に示す物件はありません。
写真1の場所から40mほど南に進んだところです。参考資料4の航空写真(1979年)には赤↓印を付した民家が写っており、さらにこの民家の右隣(すぐ東)には細長い空地が認められます。この空地は有楽町線トンネルを開削工法で建設した跡で、現在では民家が建てられています。
写真2の右側に見える集合住宅はメトロステージS練馬北町6と称し、東京メトロの所有(参考資料3参照)です。
写真2の地点で体の向きを180度変えると、このような風景になります。道路の左側に見える「巨大な豆腐」は、全体概要で紹介した換気塔⑨です。
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メトロステージS練馬北町6の敷地内(建物の東側)駐車場には、換気塔⑧がどんと構えています。換気塔⑧⑨いずれも建設史P.432先の平面図及び縦断面図に記載があり、参考資料4の航空写真にも写っています。当時、メトロステージS練馬北町6はなく、空地の中に換気塔⑧がぽつんと建っているという状態でした。ちなみに有楽町線の営団成増駅(現在の地下鉄成増駅)から池袋駅まで開業したのは1983年6月、メトロステージS練馬北町6の使用開始は2008年9月です。
参考資料3にはメトロステージS練馬北町6の住所が記載されていますが、これは建設史P.816に記載されている平和台変電所の住所と一致しています。されに建設史P.796には「平和台変電所を本線上地下1階に新設し、地上1階に換気塔を組込んだ」旨記述があります。これらより、メトロステージS練馬北町6の地下には平和台変電所があり、その下を有楽町線が走っているということになります。
写真5は、写真3に写っている換気塔⑨を東側から撮影したものです。換気塔の左側(南側)に見える集合住宅はメトロステージS練馬北町1で、道路を挟んだ右側(北側)にはメトロステージS練馬北町6が建っています。
参考資料4の航空写真と現在の航空写真を対比すると、このメトロステージS練馬北町1(2005年3月使用開始)の左手前側(東側)の真下に有楽町線トンネルがあり、建物の一部(手前側の一部)は有楽町線トンネルにかかっているようです。
私は有楽町線トンネルの真上に立っています。メトロステージS練馬北町1の奥にメトロステージS練馬北町6(茶色い建物)がちらりと見えますが、そこから私が立っているところまでまっすぐ有楽町線トンネルが続いています。
写真7を撮影した地点から20mほど東側に立ち、西を向いて撮影しました。道路の左側(南側)に建っている集合住宅はメトロステージS練馬北町2(2006年3月使用開始)で、有楽町線トンネルの真上に位置しています。右に見える民家は写真7の左手前に写っているものと同一のもので、有楽町線トンネルのすぐ脇に建っています。
畑越しにメトロステージS練馬北町2を南西側から撮影しました。有楽町線はこの集合住宅の真下を走っています。参考資料4の航空写真を見ると畑の土の色が周囲と異なっており、有楽町線トンネル建設の跡がはっきりわかります。メトロステージS練馬北町2の左手前側(西側)に古いアパートがありますが、参考資料4の航空写真に写っていることより有楽町線トンネル建設以前から建っていることがわかります。
参考資料
1.帝都高速度交通営団編「東京地下鉄道有楽町線建設史」帝都高速度交通営団(平成8年)
2.東京地下鉄編「東京メトロ建設と開業の歴史」実業之日本社(2014年)
3.東京メトロHP「不動産事業」
4.国土地理院航空写真「CKT79-4 C6B-5」(1979年)