日比谷線はどこを走っているか(その3) 茅場橋付近

水天宮前交差点付近で新大橋通りの下にもぐり込んだ日比谷線日本橋川の下をくぐっています。Yahoo!地図、Googleマップ、その他市販されている地図帳を見ても、いずれも日比谷線新大橋通りの茅場橋の真下を走っているように表記されています。

しかし…現実は異なっています。日比谷線は茅場橋の脇(上流側)を迂回して走っているのです。その具体的な経路は建設史P.374図78に示されています。さらにその前後の経路は建設史P.254先の平面図および縦断面図に示されています。新大橋通りの下を走ってきた日比谷線は若干斜めに茅場橋西側に到達し、半径163m左曲線で茅場橋を迂回するように走ったのち、再び新大橋通りに向かって半径250m右曲線で合流し、茅場町交差点に向かっています。

以下、現地の状況です。

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写真1 茅場橋北詰から水天宮前交差点付近を見た風景

写真奥に高くそびえ立つのはリガーレ日本橋人形町です。日比谷線新大橋通りが屈曲するあたりから道路中心を外れ、私の方に向かって走ってきます。

 

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写真2 茅場橋北詰

私の真下を日比谷線が走っています。奥に見える高速道路の真下に、これからくぐる日本橋川が流れています。

 

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写真3 茅場橋北詰

茅場橋の上から、北詰を見たところです。まわりはビルだらけなのに、ここだけ建物がありません。まさにこの真下を日比谷線が走っています。

 

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写真4 茅場橋南詰

茅場橋の脇、ちょうど日比谷線が走っているあたりです。黄色↓印部に何やら見えます。

 

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写真5 日比谷線構築物河底通過標識

写真4の黄色↓部を拡大したものです。この標識の場所が日比谷線構築物の中心で、上流側と下流側それぞれ5.4mの幅でトンネルがあるという表記がされています。

 

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写真6 茅場橋南詰

茅場橋の南西側になりますが、この真下を日比谷線が奥から手前に走っています。単なる広場にしか見えませんが、実はトンネルの真上なのです。

 

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写真7 茅場橋南詰

日本橋川を渡ると日比谷線新大橋通りの下に戻っていきます。日比谷線のトンネルを避けるように京王プレッソインが建っていることがわかります。

 

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写真8 京王プレッソイン

京王プレッソインの壁面位置により、日比谷線の経路が浮き出して見えます。このスペースをうまい具合に荷捌き用に使っています。

 

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写真9 茅場町交差点

茅場町交差点の風景です。京王プレッソインだけが壁面が斜めになっていることがよくわかります。

まっすぐ走っていると思っていたら実は迂回していた(世の中のほとんどの地図が記載誤り)…という事例でした。地下鉄の経路は、調べてみないとわからないものですね。

参考資料
 1.帝都高速度交通営団編「東京地下鉄道日比谷線建設史」帝都高速度交通営団(昭和44年)
 2.東京地下鉄編「東京メトロ建設と開業の歴史」実業之日本社(2014年)