水は低いところを流れるものだという先入観があります。そういう感覚で甲州街道や京王線の周辺を歩いていると「高いところを流れている水」に出くわして、あれっと思うことがあります。玉川上水です。羽村から四谷大木戸までの43kmを1653年4月から1654年6月までの1年ちょっとで完成させたわけですから、驚くべきものです。
さて、この玉川上水とほぼ並行して甲州街道(尾根道)があります。世田谷区と杉並区の区境はずっとこの道の上を続くのですが、永福料金所を過ぎたところで急に甲州街道から南に反れ、下高井戸駅前に向かいます。
1枚目の写真、世田谷区のお店から突き出した青いビニールの覆いは、杉並区に越境しています。ちなみに写真の奥で区境は逆L字形に左折しています。つまり奥の緑色の屋根の建物は世田谷区なんですね。
2枚目の写真は下高井戸駅前市場(世田谷区)ですが、道路のこちらは杉並区です。
3~5枚目の写真は下高井戸駅近くのショッピングセンターですが、ショッピングセンターそのものは杉並区で、入口は世田谷区になっています。5枚目の写真はまさに「区境の壁」ですね。
ところで、なぜ甲州街道から下高井戸駅前に区境が来るのか…ということですが、ひょっとすると区境は鉄道(京王線)が好きなのかもしれません。